いかに金(かね)がありましても、その金を金としてほんとうに世の中のため、自分のため、また周囲のために生かす心の高まりとでも申しますか、人間としての高まりというものがなくしては、その金は単なる金で終わってしまう。むしろ金がじゃまになってしまうことにもなると思うんですね。

『松下幸之助発言集11』(1965)