私は悲観論者でも何でもありません。むしろ私は経済に対しましては、ほんとうは楽観論者なのです。非常に困難な場合に直面いたしましても、なるほど困難であるが“窮通の道”というものはあるということを、昔からいろいろな人が教えているし、またそれを実験してきている。窮すれば必ず通ずるのだから、結局、心配は要らないのだということで、終始一貫、私は楽観してやってきたのであります。

『松下幸之助発言集23』(1962)