たとえば、会社の経営でも、“この事業はだんだん衰退していくだろう”と考えてやっていたのでは、出るべき知恵も出なくなってしまうでしょう。やはり”これはやりようによっては無限に発展させていくことができる”と考えてこそ“それならこうしていこう。ああしていこう”という知恵も湧いてくると思うのです。それと同じことですね。“資源は無限である”という信念に立った上で、“しからば、個々の資源の枯渇にどう対処していくか”を、政治の上でも、学問の上でも考えていく。そこに初めて適切な対応策なり新たな発明が考えられてくると思うのです。

『松下幸之助発言集41』(1978)