人間は、だれでも自分を愛さない者はないわけです。それと同じように、自分がかわいければ自分の住む町がやはりかわいい、さらに進んでは自分の住む国がかわいい、ということに通じる考え方がなければいけません。同時に、自分の住む世界がかわいいという世界愛へと通じなければなりません。つまり愛国心から進んで世界愛へ、と同時に、それは小さくは自分への愛である。そういう考え方を国民が、あるいは人類が共通的にもつには、教育の役割が非常に重要だと思うのです。

『松下幸之助発言集14』(1969)