『松下幸之助発言集13』(1968)
百年の計――これからの日本人へ〈2〉
後藤新平さん(元東京市長)が、震災(関東大震災)後、東京都の計画をなさったとき、あいつはバカなことをやっている、大ぶろしきやと言われて縮小されたでしょう。あれ後藤さんの言うとおりやっていたら、また東京も変わっているかもしらんですな。震災という機会に、後藤さんが非常に大きな企画を立てたんですな。十年なり二十年なり先のことを考えてやれとか、あるいは百年先の計というようなことを昔は言っているんですからね。百年の計を立てるということは、昔の中国の人が言うているんですが、二千年たった今は百年の計と言わんですね。言うたらおこられるんですからな。