「松下幸之助経営塾」は、経営者を対象にした松下幸之助の経営哲学を学ぶための公開セミナーです。2016年12月に開催された同塾の研修風景の一端をご紹介します。
【塾生通信 日に新た】松下幸之助経営塾 第12期 第6回
一人ひとりが志を固める
昨年の十二月九日、十日、第十二期生が最終回を迎えました。
一日目はまず、松下幸之助から二十八年間にわたり薫陶を受けた弊社客員の岩井虔による特別講話「松下幸之助に学んだもの」。直接接した者でしか知りえないエピソードをふんだんに交えて松下の人間的魅力を紹介しました。
岩井によると、松下は好奇心旺盛な人物。疑問や知りたいと思うことがあれば、即座に「きみ、どう思う?」と周囲の人に問いかけ、はるか年下の自分にも「きみ、なにか言うことはないか?」と意見を求めてきた時は驚いたといいます。松下はまた、来客へのもてなしには手を抜くことのなかった経営者。相手の身分や地位を問わず誰であろうと、事前準備を怠らず、一方で見送りの際は、その姿が見えなくなるまで頭を下げていたという話には、塾生も感銘を覚えた様子で、熱心に聞き入っていました。
一日目の後半から二日目にかけては、最終回恒例の「私の志」の発表。塾生一人ひとりがパワーポイントを使ってプレゼンテーションをしました。十カ月にわたって学びをともにしてきた〝同志〟だけあって、他の塾生から厳しくも愛情のこもったコメントが贈られました。
その後、塾生は「五年後の自分に向けてのメッセージ」を色紙にしたため、決意表明。それぞれがみずから考えた言葉で、志を固めることができました。
そして、塾長の松下正幸が講話。卒塾後のこれからが、学びを通して成長した塾生にとって新たなスタートであることを強調しました。その一方で、塾生からの質問には、祖父である松下幸之助のことも含めて気さくに答え、なごやかな雰囲気のうちに全プログラムが終了しました。 最後に、塾生一人ひとりが塾長から修了証を受け取り、晴れて卒塾。今後の皆さまのご活躍を祈念いたします。
◆『衆知』2017.3-4より