松下幸之助経営塾」は、経営者を対象にした松下幸之助の経営哲学を学ぶための公開セミナーです。2019年9月に開催された同塾の研修風景の一端をご紹介します。

 

【塾生通信 日に新た】松下幸之助経営塾 第19期 第1回

志と理念の重要性を再認識

第十九期が九月二十日、二十一日に始まりました。第一回のテーマは「志を立てる~経営理念の確立と浸透」。塾生の自己紹介に続き、当塾塾長・松下正幸が開塾のあいさつ。その後、渡邊主幹講師が「松下幸之助 志の軌跡」というテーマで最初の講義をしました。

 

二日目はまず、塾生による前日の振り返り、それを受けて松村アドバイザーが、自己紹介を兼ねつつコメントをしました。次いで、渡邊主幹講師の講義「松下幸之助の経営理念について」。理念を文言として掲げるだけで満足してはならず、組織に浸透させ、社員の行動実践につなげることが大切だと、塾生に訴えました。

 

午後からは、かつて松下電器産業副社長やWOWOW社長として活躍し、現在は、ぴあ社外取締役を務める佐久間曻二氏による特別講話「松下幸之助創業者に学び、WOWOWの再建に生かす」。

 

佐久間氏は、二十代の若手時代と三十代の欧州駐在時代に、松下幸之助から直接指導を受けた思い出を語った後、巨額の累積赤字で経営が傾いていたWOWOWの経営再建を託され、三年で黒字化した話をしました。特に同社の官僚的体質と闘い、風土変革を遂げていくエピソードには、塾生も興味津々の様子でした。

 

最後は経営の目的に関するグループ討議。松村アドバイザーが議論を総括しました。松下電器産業勤務時代に「心が変われば行動が変わる」と教えられたというエピソードを紹介し、経営の目的にかかわる理念の浸透には、経営幹部がその意味を社員の心に訴える努力が求められることを強調しました。

 

経営セミナー 松下幸之助経営塾

 

◆『衆知』2019.11-12より

衆知2019.11-12