現在は使われていませんが、初期のPHP研究所は、左下のマークを使用していました。昭和21(1946)年11月19日に、さまざまな図案が提出された記録があり(※1)、2日後の同月21日にこのマークが正式決定されました。
『PHPニュウス』(後の『PHP新聞』)創刊号に「私たちのマーク」と題する詩が掲載されています。
真紅の昇る太陽/伸びる力の象徴だ。/しかもこのちから/権力でない、暴力でない/白鳩の幸福を亨ける/平和の力だ。/旭日の中から/飛び立つ白鳩/限りない平和と繁栄へ。(※2)
マークをあしらったバッジも製作されました(下写真)。昭和22(1947)年には20円、昭和28(1953)年には50円(いずれも今日の価値で500円弱)で販売され、大きさは1.5センチ×1.3センチ、七宝焼きでできています。青色と赤色の2種類があり、青色はネジでとめる構造、赤色は裏がピンになっています。
バッジ(上段が表、下段が裏)
また、玄関などに貼る会員章もつくられ、紙製とアルミ製が現存しています(下写真)。PHP友の会会員は、胸にバッジをつけ、会員章を自宅に貼ることが奨励されました。
会員章(左が紙製、右がアルミ製)
このマークは、昭和36(1961)年のPHP研究再開後も使われていましたが、最後に使用されたのは、昭和38(1963)年12月発行の『PHP』第187号、表4ではないかと思われます。
1)『業務日誌 昭和21年9月~昭和22年8月』18~9頁、経営経済研究所『業務日誌』(小ノート版)5頁など。
2)『PHPニュウス』創刊号(昭和22〔1947〕年4月15日発行)2面。