Q122:幸之助の以下のエピソードで当てはまるものは?

昭和26(1951)年ごろ、ラジオ担当営業部長が「ラジオの年間総需要が約30万台ですので、松下電器でその3割を占める10万台を販売したいと思います」と報告したところ、幸之助に戒められました。その理由は何だったのでしょうか?

(1)他社の戦略を考慮していないから

(2)3割という占有率の根拠が曖昧だから

(3)総需要が30万台だと前提しているから

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解答&解説コラム

 (3)が正解です。昭和26(1951)年ごろのこと。ラジオ担当の営業部長が、各種のデータを調べ上げて目標を決め、幸之助に報告しました。「現在、全国のラジオの総需要は年間30万台ぐらい。実績から考えてその3割を松下電器が占めると9万台ですが、これから新製品も出るので10万台を目標とします」。

 これを聞いた幸之助は、即座に「それはけしからんではないか」と返したのです。かなり確信をもって定めた目標数値だっただけに、思わず絶句した部長に対し、幸之助は続けて言いました。
「なぜ全体で30万台しか売れないと決めつけてしまうのだ。初めからそう決めてしまうということは、それ以上は売る必要なしというのと同じではないか。そんな固定的な考え方では、いつまでたってもラジオの仕事は伸びない。今が30万台だからといって、今後もそうだと考えるのは間違っている」

 この言葉がヒントとなり、「一家に二台、ナショナルラジオ」というキャッチコピーがつくられ、新たな販売計画が打ち出されたのでした。