Q124:幸之助の以下のエピソードで当てはまるものは?

昭和21(1946)年1月、松下電器で労働組合が発足し、結成大会が開催されました。その際、幸之助はどのような行動をとったでしょうか?

(1)結成大会を開くことに反対した
(2)結成大会に出席して祝辞を述べた
(3)組合員の名簿を提出するよう求めた

矢印(下).png

解答&解説コラム

 (2)が正解です。終戦後、GHQは経済民主化政策の一環で労働組合の結成を奨励し、松下電器でも昭和21(1946)年1月30日、大阪の中央公会堂で結成大会が開かれました。そこに幸之助は、社長として祝辞を送りたいと、招かれないまま出向いたのです。幸之助の申し出を受け、議長が組合員たちに諮ったところ、賛否さまざまな意見が乱れとんで騒然となります。しかし、結局は大部分の賛意が得られ、幸之助は登壇して次のように述べました。

 

 「労働組合の誕生は、真の民主主義にもとづく新しい日本を築く上で歓迎すべきことである。正しい経営と、皆さんの考える正しい組合とは必ず一致すると信じる。ともども力を合わせて日本の再建に邁進していこう」

 

 誠意に満ちた幸之助の訴えに、会場から割れんばかりの拍手がわき起こりました。来賓として出席していた社会党の代議士が、その夜、幸之助を訪ねてきて、「私はいくつも労働組合をつくってきたが、どの組合でも経営者の悪口を言っているし、経営者も結成大会には出てこない。こんなことは初めてで、非常に感銘した」と語ったといいます。