Q126:幸之助の以下のエピソードで当てはまるものは?

経営がうまくいかず悩んでいた販売会社の責任者が、幸之助に相談しました。最後に幸之助が「尊敬できる○○がいるか」と質問したことで、責任者の意識が変わったといいます。○○に入る言葉とは?

(1)お客様

(2)先生

(3)部下

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解答&解説コラム

 (3)が正解です。あるとき、仕事がうまくいかず悩んでいた販売会社の責任者が、幸之助に指導を仰ぎました。経営の進め方についてひととおり話が交わされたあと、幸之助は「ところで、あなたには尊敬できる部下が何人いますか」と尋ねます。「お恥ずかしいかぎりですが、一人もおりません」と答える責任者に対し、幸之助は「それではあなたは、ほんとうの経営者にはなれませんな。人はだれにでも、必ずどこか良いところがあるものです」と返したのです。

 そう言われてじっくり考えてみると、暑い倉庫の中で一所懸命仕事をしてくれる者、お客様にかわいがられている者、経理が迅速で的確な者など、部下一人ひとりの長所が思い出され、自分を助けてくれる大切な存在だということに気づいたといいます。

 

 目が開かれた思いがした責任者は、以後部下に接する態度を改め、その変化を感じた部下たちも生き生きと働くようになり、やがて業績も好転しました。部下を使う際には、「長所に七分目をやり、短所を三分しか見ない」のが幸之助の行き方でした。部下の長所を見て自分より偉いなと思うか、短所を見て不安に思うか。それが商売、仕事の成否を分ける一つのカギになるということでしょう。