Q137:幸之助の以下のエピソードで当てはまるものは?

東京にある松下電器の代理店が倒産したときのこと。東京営業所長は、それまで懸命に手伝ってきた会社だけに、代理店の社長を厳しく批判しました。すると、幸之助は営業所長に何と言ったでしょう?

(1)「きみの失敗だろう」
(2)「こういうときこそチャンスだ」
(3)「そのくらいで許してやれ」

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解答&解説コラム

 (1)が正解です。昭和30年代後半、東京にある松下電器の代理店が倒産しました。代理店の社長と東京営業所長は幸之助に呼ばれます。それまで懸命に経営を手伝ってきただけに、裏切られた思いがした営業所長は社長を厳しく批判しました。すると、幸之助が営業所長に言ったのです。
「きみ、営業所長というのは代理店さんの番頭やで。ご主人が失敗せんようにガッチリ守っていくのが役目やないか。私からすればきみの失敗や」

 

 続けて代理店の社長には、「あなたは営業所長のご主人でしょう。自分の会社を守るために番頭をきちんと使えなくてどうするんですか」と叱責しました。これらの言葉にショックを受けた営業所長は、考えてみれば確かにそのとおりだと反省します。

 

 幸之助の考えの根底には、松下電器とお得意先との共存共栄を実現したいという強い思いがありました。ですから、お得意先を守れなかった営業所長を叱り、代理店の社長には営業所長のサポートを求めなかった意識の低さを指摘したのです。