Q14:この幸之助の言葉の○○に当てはまるのは?
「利益は○○である」
(1)報酬
(2)正義
(3)欲望
解答&解説コラム
(1)の「報酬」が正解です。どのような社会情勢にあっても、企業は適正な利益をあげ、それを国家に税金として還元していくことが義務であり、使命である。世間から期待される商品を提供することができない企業は、社会から報酬を得ることができず、存在する価値がない――。この幸之助の揺るぎない信念を、企業の社会的責任が重要視される現代の経営において、否定する経営者はいないでしょう。
幸之助は、この「利益は報酬である」というみずからの信念のもとに仕事に精励することを、ともに働く従業員に要望し、知恵を集め、力をあわせ、成果をだし続けました。そうして松下電器の独自の企業文化、伝統や歴史といったものが創りだされていったのです。
幸之助がみずからの実体験をもとに生みだした経営哲学をまとめた書として『実践経営哲学』があります。そのなかで幸之助は次のように記しています。「人びとが物をある価格で買うのは、その品物にその価格以上の価値を認めるからである」「百二十円の価値のある製品をいろいろ努力して九十円の原価でつくり、それを百円で供給する。そういう努力、奉仕に対する報酬が、十円の利益として買手から与えられる」。ここにも幸之助の利益観が明確に示されています。