Q145:幸之助の以下のエピソードで当てはまるものは?
昭和7(1932)年、幸之助があることを行い、ラジオ業界に貢献したとして賞賛されました。それはどのようなことだったでしょうか?
(1)ラジオ放送で自らの経営観を語った
(2)ラジオの特許を無償公開した
(3)小型ラジオの開発に成功した
解答&解説コラム
(2)が正解です。ラジオ受信機が日本の各家庭に普及し始め、松下電器でも大いに生産、販売しようとしていた昭和7(1932)年のことです。当時、ある発明家がラジオの重要部分の特許権を所有しており、各メーカーはラジオの製造に大きな支障を受けていました。
“必要な技術を必要ある者が使えないことは業界発展の妨げになる”と憂慮した幸之助は、発明家と交渉し、その特許を2万5千円で買い取ります。当時の松下電器の規模からすれば非常に高い金額でした。そして翌日、幸之助はこれを同業メーカーが自由に使えるよう、無償で公開すると発表したのです。
この特許公開は、ラジオ業界の発展に多大な貢献をするものと賞賛され、"業界始まって以来の大ホームラン"と業界紙で取り上げられたほか、感謝状や牌が贈られました。幸之助は後年、「松下電器の繁栄とわが業界の繁栄、これを同時に考えて仕事をしなければならない。私は常にこの観点に立ち、共存共栄の実を中心として一切の施策をしてきた」と言っています。