Q168:幸之助の以下のエピソードで当てはまるものは?

松下幸之助は20歳の時、見合いでむめのと結婚しました。結婚のきっかけとなった松下家のあるものとは何だったでしょうか?

(1)先祖の宝刀

(2)先祖の位牌(いはい)

(3)先祖の勲章

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解答&解説コラム

(2)が正解です。

 松下電器を創業する前、大阪電燈(現・関西電力)の職工をしていた20歳の松下幸之助は、一番上の姉イワの勧めで見合い結婚をすることになりました。結婚にはまだ早いと思っていた幸之助ですが、イワは次のように理由を述べました。

「松下家には先祖代々の位牌が47基もあり、本当はお祀りしなければいけない。自分は嫁に行っていて、松下家の人間ではないので、幸之助が妻をめとって所帯をもち、松下家の跡取りとして位牌をお祀りしてほしい」

 はやり病などによって次々と親やきょうだいを亡くした幸之助にとって、イワは最後まで残った家族でした。勧めに従って、幸之助はむめのと見合いをし、結婚することにしました。父の政楠が米相場に手を出して失敗し、所有していたすべての土地と家を手放した松下家にとって、先祖から受け継いで残されたものは、この位牌だけだったといいます。

 後年、祖父より前の祖先の位牌は合祀されて1基になります。位牌は父・政楠と母・とく枝、「松下電器物故者の霊」の合計4基になりました。幸之助は、これら4基の位牌を自宅の仏壇に納め、毎月、政楠の命日であった29日には住職を家に招き、お祀りを続けたということです。