Q18:この幸之助の言葉の○○に当てはまるのは?
「躾は○○を伸ばし人間を幸福にするもの」
(1)寿命
(2)天分
(3)仁徳
解答&解説コラム
(2)の「天分」が正解です。人間の本質を把握する。それが、幸之助のはじめたPHP研究の最重要テーマでしたが、幸之助が人間の本質に基づいて、人間として守らなければならないものの一つに挙げたのが「礼」でした。そして礼、すなわちよりよい人間関係を構築し、潤い豊かな社会を築いていくうえで不可欠な礼義・礼節を育むのが「躾」であり、その躾が、家庭や学校で十分になされるべきだと説きました。
では、幸之助が望んだ躾とはどのようなものだったのでしょうか。基本的には「一人前になるまでは厳重に躾をおこなって、一人前になると自由に行動させることだ」といいます。子供のころは甘やかしてはならないということです。しかし、ただ厳しくすればいいと考えていたわけではありません。
幸之助は、人間を「苗木」に喩えてこう説きます。「苗木を育てるためには副木が必要」である。「苗木は自分の力で立っていられない。ほうっておけば、雨風にゆがめられて曲がりくねった姿になってしまう。しかしやがて自力で伸びていけるようになれば、自然と副木は必要でなくなる」。つまり「躾とはこの副木のようなもの」であり、人間性を守り、天分を伸ばすためにおこなうのだ、と。そして、躾は人間性をゆがめることになるから排せよという意見もあるが、この躾の本来の意義を誤りなく認識し、社会全般にわたって躾を実行する風潮をつくりあげようと訴えています。