Q32:幸之助が挙げた「素直な心の内容10カ条」の10番目はどれでしょうか?

 (1)広い愛の心

 (2)逞しい心

 (3)健やかな心

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解答&解説コラム

 (1)の「広い愛の心」が正解です。人間には自然の情として、困っている人を見たら、(できる・できないは別として)助けたいと思う心持ちがある。それはなぜか。幸之助は、お互いに大切にしあい、生かしあい、許しあい、助けあってゆきたいという「広い愛の心」、慈悲の心を人間は本質的に備えており、ともに安らかに楽しく明るく生きてゆくことが基本的に望ましいと考えているからではないかといいます。


 では、本来そうした心を持っている人間が、どうしてお互いを傷つけあい、争いをくり返すのか。それは、自分の考えや利害、主張などにとらわれて、憎しみや相手を否定する心、非難する心が生じ、本来持ちあわせているはずの「広い愛の心」に覆いかぶさってしまうからだと幸之助は考えました。しかし、何ものにもとらわれない素直な心が高まれば、「広い愛の心」が妨げられることなく十二分に発揮されるようになって、ともどもに幸せに生きてゆく姿が実現できるはずだ。幸之助はそう信じ、素直な心は「広い愛の心」、慈悲の心につながるものだと説いたのです。


 ちなみに幸之助は、ほかの9カ条として「私利私欲にとらわれない心」「謙虚に耳を傾ける心」「寛容の心」「実相が見える心」「道理を知ることのできる心」「すべてに学ぶ心」「融通無碍の働きのある心」「平常心」「価値を正しく認めることのできる心」を挙げています。