Q35:○○に当てはまる幸之助の言葉はどれでしょう?
「人間の○○は永遠に変わらない」
(1)性格
(2)本質
(3)過去
解答&解説コラム
(2)の「本質」が正解です。人間は一人ひとりみな違い、それぞれに異なった天分、特質が与えられています。ただ幸之助はそうした個々人の特性とともに、人間全体に共通する普遍的な本質があり、それは「永遠に変わらない」といいます。
人間の歴史を通観すれば、戦争、テロ、人種差別といった多くの過ちがくり返されてきました。幸之助も一人の日本人として太平洋戦争を体験しますが、終戦直後の混乱混迷した世相のなかで湧きあがってきたのは、「これが人間本来の姿なのか。いや、決してそうではない。人間には限りない繁栄・平和・幸福が与えられているはずだ。その道を何としても求めてみたい」という強い思いでした。それがPHPを始める動機となったのです。
1961年、幸之助は松下電器の会長に退いたのを機に、一時中断していたPHP研究を再開。以来、人間に関する思索に情熱を傾けました。そして1972年、77歳のとき、自らがたどりついた「新しい人間観」を提唱します。
「宇宙に存在するすべてのものは、つねに生成し、たえず発展する。万物は日に新たであり、生成発展は自然の理法である。人間には、この宇宙の動きに順応しつつ万物を支配する力が、その本性として与えられている。人間は、たえず生成発展する宇宙に君臨し、宇宙にひそむ偉大なる力を開発し、万物に与えられたるそれぞれの本質を見出しながら、これを生かし活用することによって、物心一如の真の繁栄を生み出すことができるのである。かかる人間の特性は、自然の理法によって与えられた天命である。(中略)お互いにこの人間の偉大さを悟り、その天命を自覚し、衆知を高めつつ生成発展の大業を営まなければならない――」
ここで幸之助のいう「本性」「特性」とは不変の本質のことであり、この提唱文には、幸之助が信じるところの、永遠に変わることのない人間のすぐれた本質が謳いあげられているといえるでしょう。