Q47:幸之助の以下のエピソードで当てはまるものは?

大正12(1923)年12月30日の仕事納めの日、従業員が掃除をしている工場を見回りながら、幸之助は従業員教育の重要性に気づいたと述懐しています。そのきっかけとは何だったのでしょうか?

(1)トイレ掃除ができていなかった

(2)従業員がきちんとあいさつしなかった

(3)幹部の髪形や服装が乱れていた

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解答&解説コラム

 (1)が正解です。

 仕事納めのこの日、松下電器では新年を迎えるための大掃除が行われていました。工場内を見回っていた幸之助は、従業員のトイレだけが掃除されていないことに気づきます。従業員たちの様子をうかがうと、主任や古参従業員をはじめ、だれもトイレ掃除に関心を示しません。そこで幸之助はほうきを持ち、バケツに水を汲んで、みずからトイレ掃除を始めます。ところが、一人の従業員がやってきて加わったものの、他の従業員たちはただ眺めているだけでした。


 幸之助はこのできごとに直面して、工場に精神的指導が行き届いていないことを痛感しました。そして、「普段使用しているトイレでありながら進んで掃除しない。それどころか、かりにも主人である自分が掃除をしているのを見て手伝おうともしない。これではいけない。こういった礼儀や常識をきちんと教育することも自分の責任だ」と、指導方針を確立することの重要性を強く認識したのです。