Q56:幸之助の以下のエピソードで当てはまるものは?

ある時幸之助は、一人の青年社員とこんな会話を交わしました。

 「きみ、肩もみはできるか」

 「いや、できません」

 「お父さんやお母さんの肩をもんであげたこともないのか」

 「ありません」

 「それではきみはたいして出世できないね」

 

幸之助がこう告げた真意は何でしょうか?

 

(1)周囲の人に思いやりの心を持つことが大切である

(2)親の肩もみをしている人は早く昇進するというデータがあった

(3)肩もみの技術は松下電器の技術と共通する部分がある

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解答&解説コラム

 (1)が正解です。幸之助は続けて、青年社員に次のように説きました。

 「たとえば、きみが課長と夜遅くまで残業をしているとする。若いきみは元気でも、年配の課長はだんだん疲れてくる。そんな時きみが、『課長、お疲れでしょう。肩をおもみしましょうか』と言ったらどうなるか。

 

 大抵の場合は『いや結構だ。ありがとう』と返ってくるだろう。しかし、たとえ断っても、課長はきみの一言でどれだけ慰められ、元気づけられるかわからない。そして課長からも『きみ、ご苦労さんだったな』というねぎらいの言葉が出てくるにちがいない。そんな思いやりの心の通い合いが職場を明るくし、お互いの仕事の成果を高めることになる。

 

 だから、きみがそういう一言を真心から言える人間であれば、仕事もうまくいき、周囲の信頼を得ることもできて、出世まちがいなしだと思うのだ」