Q66:幸之助の以下のエピソードで当てはまるものは?

昭和2(1927)年4月、幸之助は新しくナショナル角型ランプを発売しました。その際、乾電池の仕入れ先を訪れた幸之助は、主人にあることを申し出ました。それは何でしょうか?

(1)「乾電池を1万個無料でください」とお願いした

(2)「あなたの工場で生産されている乾電池には改良の余地がある」と苦言を呈した

(3)「松下電器としても直営の乾電池工場を持ちたい」と相談した

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解答&解説コラム

 (1)が正解です。

 幸之助は新たに開発した角型ランプが国民の必需品になるようにという願いを込めて、ナショナルの商標を冠し、ナショナルランプとして売り出しました。

 

 幸之助は発売に当たり、見本として1万個のランプを販売店に無料で置いて回ることにしました。そこで、乾電池の仕入れ先である東京の岡田乾電池を訪れ、年内に20万個以上仕入れることを条件に、1万個の乾電池を無料で提供してほしいと申し入れたのです。主人も幸之助の心意気に感心し、了承しました。
 ランプは大好評で、1000個も見本を配り終わるころには次から次へと注文が入り、その年の12月に調べてみると、約束の20万個をはるかに凌駕する47万個もの乾電池を仕入れていたのです。

 

 これに感激した主人は翌年1月2日、紋付、羽織、袴に威儀を正して、大阪にある幸之助の自宅まで出向きました。この主人は、みずから得意先を回ることなどめったになかったので、幸之助はたいへん驚きます。主人は、水引をかけた乾電池1万個分の代金1500円を、感謝状まで添えて手渡しました。幸之助は、このとき胸が打ち震えるほどの喜びを味わったと言っています。