Q69:幸之助の以下のエピソードで当てはまるものは?

松下電器の創業は大正7(1918)年3月7日ですが、創業記念日は昭和7(1932)年5月5日と決められました。その理由は何でしょうか?

(1)松下電器の真使命が表明された日だから

(2)幸之助がある宗教団体を見学し、事業経営のヒントを得た日だったから

(3)鯉のぼりにあやかって業容を進展させていきたいという願いから

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解答&解説コラム

 (1)が正解です。

 昭和7(1932)年5月5日、幸之助は当時の全店員168名を大阪の中央電気倶楽部に集め、第1回創業記念式典を挙行し、松下電器が将来に向かって果たしていくべき真の使命について訴えかけました。

 

 同年3月、ある宗教団体の見学をきっかけに産業人の使命を感得した幸之助は、「水道の水は加工され価があるにもかかわらず、道ばたの水道水を通行人が飲んでも咎められることはない。量が豊富で安価だからだ。松下電器の真の使命は、物資を水道の水のごとく安価無尽蔵に供給し、この世に楽土を建設することである」と説いたのです。

 

 そして、松下電器の真使命を明示した所主告辞やその使命達成のための250年計画も発表。参加者は感激の極に達し、上席から新入の店員まで次々と列をなし、壇上に駆け上がって決意表明を行いました。午前10時に始まった式典が終了したのは、午後6時だったといいます。
 幸之助は、この年を命知元年とし、松下電器が真の創業に入るこの日を創業記念日に制定しました。