Q8:この幸之助の言葉の○○に当てはまるのは?
「上司とは○○引き受け係のようなもの」
(1)交渉
(2)責任
(3)心配
解答&解説コラム
(3)の「心配」が正解です。幸之助は社長時代、社内の人に、時折こんな話をしたといいます。
「仕事の上での心配ごとがあったら、遠慮なくぼくにいってきてほしい。そもそも社長というのは心配する役なんだ。心配ないことはいわんでもいい。あるいはあとでいってくれたらいい。しかし、『これは心配や』と思うことはみんな社長にいってくれ。心配するために社長は存在しているんだ。社長がそのために死んでも、それは早くいえば名誉の戦死やないか」
そのうえで「会社のなかでは社長が一番心配が多くなければならない。そこに社長の生き甲斐がある。それと同じように、百人の人がいる部であれば、その百人のなかで一番心配が多いのが部長である。また十人の課であれば十人のなかで課長が一番心配が多いということでなくてはならない」と説いています。そして上司たるもの、「心配引き受け係」であることに生き甲斐を感じられないようなら、その人は「責任者としてふさわしくない」とまでいいます。
しかし実際のところ、心配を引き受けるというのは大変なことです。幸之助自身も、部下から心配ごとをもってこられると、晩の食事がおいしくなく、夜も寝つけない、ときには脈が結滞することさえあったといいます。けれども、それが自分の生き甲斐なのだと考え直し、自分を叱咤激励する。すると、心配が心配でなくなる。勇気がでてきて、知恵も湧いてくる。結果として、心配が自らの成長の糧となるというのです。