Q92:幸之助の以下のエピソードで当てはまるものは?

昭和20年代後半、松下電器東京特販部は、電気冷蔵庫を日本一のデパートに納品することができました。報告を受けた幸之助は、何と言ったでしょうか?

(1)「きみたちは、期待以上の成果を出した」

(2)「きみたちは、あまり重要でないことにこだわった」

(3)「きみたちは、まだとどめをさしとらん」

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解答&解説コラム

 (3)が正解です。

 昭和20年代後半、松下電器東京特販部は、当時日本一と言われていたデパートに、販売を始めたばかりの電気冷蔵庫を納入すべく懸命の努力を重ねていました。そのかいあってようやく納品に成功、特販部が喜びに沸きたっていたとき、上京していた幸之助が立ち寄ります。責任者から改めて報告を受けた幸之助は、「それはよかったな。ご苦労だった」と部員をねぎらい、続けてこう言いました。

 

 「しかし、物事はとどめをさすことが肝心だ。きみたちは、まだとどめをさしとらん。商品を顧客の目につく場所に展示してもらい、販売促進につながらなければ、本当の意味で納入したことにはならない」

 

 当時のデパートの家電売り場では、外国製品が目立つところに並び、国産品はすみに置かれていました。幸之助は上京すると、東京の主要マーケットを回り、そのデパート売り場も視察した後で特販部を訪れていたのでした。