日本の富の最大のものはその景観美である。この永遠に尽きない景観美をもっと観賞してもらえるよう工夫すれば、外国からたくさんの人が訪ねてきて、いわゆる「観光立国」ができる。だから、日本では、観光というものを優遇して、総理大臣の次に観光大臣がいるくらいにすればいい。

 

永遠に尽きない景観美を生かし“観光立国”を

発表媒体

1952年9月、立花大亀老師との対談

 

内容抄録

 富の表現の仕方にはいろいろありますが、私は日本の富の一番大きなものは何かというと、その景観美だと思います。この景観の美は天与のものであって、われわれがつくろうとしてもつくれない。また石炭や石油のように掘ればなくなるというものでなく、いくら見ても減りません。十和田湖の景色はいくら見ても減るものではない。それに掘り出す手間もいらない。この景観美を世界の人に観賞してもらおうというわけです。

 

 しかし、それには観賞する施設を作らなければならない。それをつくってやれば、景観の美は永遠に尽きない。交通も便利になり、飛行機で飛べば直ぐ日本に来られますから、サービスさえよくすればたくさんの人が外国から訪ねてきて、いわゆる“観光立国”ができるでしょう。

 

 だから日本では、この観光という大事なものを優遇して、総理大臣の次に観光大臣、それからいろいろな大臣がいるようにすればよいと思うのです。