政治は何といっても国を興すか、国を衰退させるかという、大きなカナメの役に立っています。したがって、国民である以上は、政治を非常に高く評価して、国民の一員としての政治的責任を果たさなければならないと思うのです。ですから、それにふさわしい政治家を選び、その政治家に対して敬意を表することは、国の発展のために非常に大切なことだと思うのです。

 しかし、現状は必ずしもそういう状態に進んできているとは思いません。非常に政治そのものを軽視する傾向があります。したがって政治家をあまり高く評価しないという傾向があります。そういう状態で、われわれが真の国家的繁栄を求めることはむつかしいと思います。私は国家を形成する国民である以上は、政治に重点をおいて、そしてもっとよりよき政治がわが国に生まれるように、お互いが共同の責任において努力しなければならないと思うのです。

道は無限にある』(1975)