何か事をむずかしく考えますと、そこにいろいろ議論が出てきたり、方策が出てきたりしまして、ある場合には策に倒れるようなこともあります。みずから立てた策にみずから倒れるようなことがある。あまり知恵才覚をたくましくいたしますと、そういうようなことになると思います。

 だからきわめて平凡にやるべきである。いいかえますと、是々非々主義だと申していいと思います。

『松下幸之助発言集7』(1964)