現在のわが国においては、若い人々は、いったい何のために自分たちは働くのか、どういう働きをしていけばよいのか、といったことが究極的な意味においてよく分からないため、とかく働きがいというものも感じることができず、往々にして働くことに対し意欲も湧かず、希望ももちえないという姿に陥っている場合が少なくないように思われる。これはなにも若い人々のみに限ったことではないかもしれない。

『松下幸之助発言集41』(1970)