熱心さは必要に迫られ、切羽詰まったら自然に生まれてくる。そして、誠実に、素直な心で、自分の境遇、自分のおかれている状況というものを見つめたならば、自然に感謝の心も生まれ、これに報いるためには何をすべきかということがわかる。それが使命感や。なまじ恵まれていて、余裕綽々という状態では決して熱心さや使命感は生まれない。これだけはやらねばならぬということで、切羽詰まらなければいけない。それで初めて一生懸命になれる。このままではいかんという精神的な切迫感がなかったら、熱心さ、使命感というものは決して生まれない。
『リーダーになる人に知っておいてほしいこと』(1983)