「松下幸之助経営塾」は、経営者を対象にした松下幸之助の経営哲学を学ぶための公開セミナーです。2019年12月に開催された同塾の研修風景の一端をご紹介します。
【塾生通信 日に新た】松下幸之助経営塾 第18期 第6回
志を固め、課題が明確に
昨年の十二月十三日、十四日、第十八期生が最終回を迎えました。テーマは「わが志を述べる~ビジョンの発表」。
一日目はまず、松下幸之助から二十八年間にわたり薫陶を受けた弊社客員・岩井虔による特別講話「松下幸之助に学んだもの」。直接接した者でしか知りえないエピソードをふんだんに交えて、松下の人間的魅力を紹介しました。
特に、素直な心の大切さを説く松下自身がなかなか素直な心になれずに苦しみ、参照すべき教科書を求めていたため、松下電器産業(現パナソニック)社員の協力のもと、『素直な心になるために』(PHP研究所刊)を作成したことや、弊社研修事業のPHPゼミナール発足時、松下の教えにもとづく内容にもかかわらず、松下が「まずはワシにやってくれ」と発言したことなどから、松下がいかに自己反省を重んじていたのか、知ることができました。
一日目の後半から二日目にかけては、最終回恒例の「わが志を述べる」。塾生一人ひとりが、自身や会社の目指すべき姿を発表。今回から、共に学んできた同期の塾生、および当塾アドバイザーであるパナソニックロジスティクス元社長の松村二郎氏のほか、当塾講師陣も全発表に対するコメンテーターとして加わったことで、発表を終えた塾生にとって、これから何をすべきか、課題が明確になりました。
その後、塾生は「五年後の自分に向けてのメッセージ」を色紙にしたため、志の実現に向けた決意を表明しました。
そして、塾長・松下正幸が講話。「卒塾後は自分自身の考えで歩んでいかなければならない。これからが本当のスタートだ。輝かしい人生を送ってほしい」と塾生にエールを送る一方で、祖父・松下幸之助に関する塾生の質問には気さくに答えるなど、なごやかな雰囲気のうちに全プログラムが終了しました。
最後に、塾生一人ひとりが塾長から修了証を受け取り、晴れて卒塾。今後の皆さまのご活躍を祈念いたします。
◆『衆知』2020.3-4より