Q10:この幸之助の言葉の○○に当てはまるのは?
「○○は『なぜ』と問うところから生まれてくる」
(1)自由
(2)変革
(3)繁栄
解答&解説コラム
(3)の「繁栄」が正解です。世間一般には商売人、経営者として知られる幸之助ですが、そもそもは発明家であり、エジソンやニュートンといった人物を尊敬していました。社会に繁栄をもたらした彼らのカンやひらめきによる発見・発明を称賛し、それは、日常のなかで「なぜ」と疑問をもち、考え抜く姿勢、さらにはすべてに学び、気づきを得ようとする情熱から生まれるのだとよく説いていました。
そして幸之助自身のそうした姿を、直に見ていた部下がいました。創業・発展期に技術分野で大いに活躍、ともに汗を流した中尾哲二郎氏(故人)です。後年に次のような回想を残されています。
「(幸之助)相談役を見ていると、経営管理の仕事をやりながら、一方では机の上にはたえず製品やいろんな道具が置いてあって、ひまができると、その製品とにらめっこしておられる。それでちょっと略図を描いたりして、非常な熱意をもって製品の改良にとりくんでおられるわけです。相談役の製品に対する情熱というのはたいしたものだと思いました。タイムトンネルを通して、いまの知識で見ても確かにイノベーションがあり、よその製品と違っていました」
常に発明、そして開発・改善への情熱を絶やさなかった幸之助。その視線の先に見えていたのは、人々の喜ぶ姿であり、社会の繁栄であり、その原動力となり推進力となったのが、「なぜ」と問うことだったのでしょう。