Q106:幸之助の以下のエピソードで当てはまるものは?

ある経済誌の年度賞の受賞パーティーでのことです。受賞者のあいさつや財界人らの祝辞が続き、出席者は料理を目の前にしながら長時間話を聞かざるをえませんでした。最後に演壇に上がった幸之助はどうしたでしょうか?

(1)「お祝いに黒田節を舞いましょう」と言って手拍子を促した

(2)「まあ食べながら聞いてください」と言って祝辞を述べた

(3)「栄誉にあやかりたい」と言って受賞者と握手をした

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解答&解説コラム

 (3)が正解です。

 昭和54(1979)年11月、ある経済誌の年度賞の受賞パーティーでのこと。選考経過の報告や授賞式、受賞者のあいさつ、財界人らの祝辞と続き、300人余りの出席者は1時間以上、料理を目の前にして立ったまま話を聞いている状態でした。最後に、前年度の受賞者として登壇をうながされた幸之助は、次のように述べます。

 

 「おめでとう存じます。風邪をひいて声がかすれております。で、ごあいさつはこれくらいにして、演壇にのぼりましたのもここにご出席の皆様の代表というようなことなので、受賞された方々のご栄誉にあやかりたく、皆様に代わって握手させていただきます」

 

 そして、受賞者の前に歩み出て1人1人と握手を交わし、審査員たちにも「ご苦労様」と握手を求めたのです。場内からは笑いとともに大きな拍手が湧き起こりました。出席者の気持ちをくみ取って、粋な方法でスピーチを省略した幸之助の行動は「まさに最後に満場をさらったという感じだった」と、ある審査員は述懐しています。