Q110:幸之助の以下のエピソードで当てはまるものは?

あるとき、幹部社員が「もう少し優秀な部下がいたら……」ともらしました。それを聞いた幸之助は、即座に「きみの考え方は間違っている」と戒めますが、その真意は何だったでしょうか?

(1)事業は優秀な人ばかりで成り立つものではない

(2)優秀な部下が何人欲しいのか数を明確にすべきだ

(3)優秀さよりも愛敬のある部下のほうが信頼できる

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解答&解説コラム

 (1)が正解です。

 あるとき、仕事があまり順調にいっていなかった幹部社員が幸之助に、「もう少し優秀な部下がいたらと思います」と愚痴をこぼしました。すると幸之助はとたんに姿勢を正し、「その考え方は間違っている」といって諌めたのです。

 

 「きみはいま、優秀な人間がいたらと言ったが、事業は優秀な人間ばかりでできるものではない。また優秀な人間を集めたからといって、優秀な会社になるとは限らない。そもそも社員のだれもが、いい仕事をして会社や世間の役に立ちたい、自分も喜びたいと思っている。大事なのは、きみがその人たちに会社の方針と目標を伝え、やり方を明示することだ。肝心なのはきみだよ」

 

 経営とは優秀な部下を集めることではない――。幹部社員は幸之助の言葉に責任者としてのみずからの姿勢、考え方を改めさせられたのでした。