Q13:この幸之助の言葉の○○に当てはまるのは?
「雨が降れば○○○○」
(1)稲が育つ
(2)雨やどり
(3)傘をさす
解答&解説コラム
(3)の「傘をさす」が正解です。誰でもやっている、誰もがわかる当然のことを当然にやっていく――幸之助は、経営者としてのみずからの行き方を、この言葉で端的に表現しました。ときに「天地自然の理法に従う」経営ともいい、その実践が自身を成功に導いたのだとします。
「雨が降れば傘をさす」こと自体は確かに簡単な所作ですが、さて日常の仕事のなかでとなると、何が「あたりまえのこと」かを、的確に判断し、実行するのは案外容易ではありません。ともすると何かにこだわり無理をしたり、不自然な行動をとってしまう。そこからさまざまな間違いが生じてくるというのがお互いの人間の姿でしょう。
だからこそ、幸之助は素直な心が大切であると説きます。「何があたりまえのことなのか」を見極めるには、素直な心で私心にとらわれず、あるがままに物事をみることが必要だというのです。そして世間一般には、「自主責任」経営や「ダム」経営、「衆知」経営といったものが幸之助の理念としてよく知られていますが、それらにも、この「雨が降れば傘をさす」「あたりまえのことを着実にやりとげる」行き方が通底しているのです。