Q133:幸之助の以下のエピソードで当てはまるものは?
幸之助が若い社員たちと懇談したときのこと。「皆さんの月給がかりに10万円だとすれば、最低でも○○万円の働きをしてほしい」と訴えました。○○に入るのは?
(1)5
(2)10
(3)30
解答&解説コラム
(3)が正解です。昭和40年代初め、幸之助は松下電器の課長クラスの社員約20人と懇談した際、次のような話をしました。
「ぼくは、この会社で一番月給をもらっている。かりに100万円だとすれば、ぼくが100万円の仕事をしていたのでは、会社に何らのプラスもない。少なくとも1千万円、あるいは1、2億円の仕事をしなくてはならない。同じく、皆さんの月給がかりに10万円で、10万円の仕事しかしないようではいけない。最低でも30万円、願わくば100万円の働きをしてほしい。それができているか、日々自問自答し、他人にも評価を求め、自分の働きを高める努力を心がけるべきだ」
幸之助はなぜこのように、社員に月給以上の働きを求めたのでしょう。それはそれほど働いて確実に利益が上がり、会社にプラスするにとどまらず、株主への配当や国への税金という形で国家国民全体に還元されてこそ、はじめて企業や社員が本来の使命を果たせると考えていたからです。
幸之助はこのことについて、その後PHP研究所の新入社員や松下政経塾の塾生に対しても、たびたび講話しています。