Q138:幸之助の以下のエピソードで当てはまるものは?

幸之助が行きつけの理髪店を訪れたときのこと。店員が、「きょうはサービスして念入りにやりましょう」と言い、いつも1時間で終わる散髪を1時間10分かけました。幸之助は何と言ったでしょう?

(1)「あなたは一流の職人だ」
(2)「私の髪型は会社の看板なのでありがたい」
(3)「それは真のサービスとは言えない」

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解答&解説コラム

 (3)が正解です。幸之助は普段、10日か2週間に一度、時間をやり繰りして散髪に通っていました。昭和39(1964)年、行きつけの理髪店を訪れたとき、店員から幸之助はこう言われます。
「やはり商売はサービスが大切です。きょうは特に念入りにやりましょう」

 結果、いつも1時間で終わる散髪は1時間10分かかりました。サービスとして、店員がこれまで以上に手間をかけてくれたのです。幸之助はこう言いました。
「サービスに努力してくれたことはありがたい。けれど、念入りにやるから10分余分にかかるということでは、徳川時代ならともかく、スピードが尊ばれる現代では真のサービスにはならないのではないですか。もしあなたが、念入りに、時間も50分でやるということであれば、これは立派なサービスだと言えると思います」

 

 後日、幸之助が再び店を訪れると、今度はハサミさばきも鮮やかに50分で立派に仕上げてくれました。幸之助は、“人より1時間多く働くことは勤勉である。しかし、創意工夫し、1時間少なく働いて今まで以上の成果をあげることも尊い。そこに、人間の働き方の進歩がある”と考えていたのです。