Q15:この幸之助の言葉の○○に当てはまるのは?

「世間は○○○」

 (1)ひろい

 (2)正しい

 (3)厳しい

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解答&解説コラム

 (2)の「正しい」が正解です。幸之助は「世間はいいかげんで信用できないものだと考えれば、経営はそれに則したものになっていくし、正しいと考えれば、世間の求めに応じた経営をしていこうということになる」といいます。そして「個々に、あるいは一時的に過つ」ことがあっても「全体として、長い目でみれば、神のごとく正しい判断を下す」のが世間大衆であり、自分は一貫してそうした考え方に立って経営をおこなってきたと述べています。


 ではどうして幸之助は、このような信念を得ることができたのでしょうか。それはやはり実体験によるところが大きいようです。「何が正しいか」を考えつつ経営を進めるという自らの行き方を貫くと、売上や儲けが減るもしれないというケースに幸之助は幾度となく遭遇します。しかしそのときに、公の心、私心なき心で決断し、果敢に行動することで、結果として世間に受け入れられ、好ましい成果を得ることができた。そうした経験の積み重ねが、正しいことが通用するのが世間であり、要らぬ心配をせず、世間を信頼し、「世間の正しさ」というものを相手に仕事を進めていけばいいのだと、幸之助に信じさせるようになったのです。


 その幸之助が松下政経塾の塾生にこんな風に説いたことがあります。「ときには世間が間違っているという場合もある」。だから「こうしなければ」という自らの信念に、かりに世間の99パーセントの人が「反対だ」ということがあっても、断固としてやり通さなければならないときもある、と。ですから「世間は“基本的に”正しい」というのが、幸之助の本意といえましょう。