Q157:幸之助の以下のエピソードで当てはまるものは?
幸之助が亡くなった平成元年4月27日の翌日、ある記者が新聞記事に「松下さんのとあるシーンがどうしても忘れられない」と書きました。それはどんな場面だったでしょう?
(1)茶道の御点前
(2)取材中の笑顔
(3)見送りのお辞儀
解答&解説コラム
(3)が正解です。幸之助は今からちょうど30年前、平成元年4月27日10時6分に94歳で亡くなりました。同日昼前から、『松下幸之助氏死去』と新聞各紙は一斉に号外を出し、翌日朝刊でも大きく報じられたのです。その中に、次のような記事がありました。
「私は若い記者時代に、松下電器を訪れたことがある。その折、松下さんにわざわざ玄関までお見送りいただいた。車が門のところまで来た時、何の気なしに後ろを振り向いて驚いた。なんと松下さんが玄関のところで、こちらに向かって深々と頭を下げておられるではないか。このシーンは、今も目に焼きついて離れない」
幸之助はいついかなるときも、人に対し礼節を重んじていました。このようなエピソードもあります。20歳余り年下のある大学教授が、幸之助と京都駅で再開しました。偶然にも同じ新幹線であり、二人はそれぞれの車両に乗り込みます。教授が目的地の名古屋駅で降りると、なぜかホームに、東京へ向かうはずの幸之助の姿がありました。そして、「先生に一言ご挨拶したいと思いまして」と言ったのです。教授自身、降りる前に挨拶に行こうかと迷っただけに"しまった!"と痛感し、あわてて頭を下げたのでした。幸之助の真心からの謙虚さ、誠実さに感服したといいます。
こうした幸之助の人となり、礼を尽くす精神は、多くの人の記憶に刻まれています。平成から令和へと時代が移り変わる今こそ、改めて幸之助の行き方・考え方に触れ、仕事や人生のプラスにされてみてはいかがでしょう。