Q158:幸之助の以下のエピソードで当てはまるものは?

幸之助は、東京銀座のとある理髪店を訪れ、理容師から「自分の髪型にもっと気を使うべきです」と忠告を受けて以降、この店に足しげく通うようになりました。そしてあるとき、この店の創業者の言葉に感銘を受けますが、それは次のうちどれでしょう?

(1)安居楽業

(2)業即信仰

(3)創業守成

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解答&解説コラム

 (2)が正解です。昭和30(1955)年ころ、その理髪店を訪れた幸之助は、37、8歳くらいの理容師から次のような忠告を受けました。

 

 「お見受けするところ、松下さんにはもっと頭髪を大事にし、どんな刈り方がいいか、どんな髪型が似合うか、自分で研究していただかなければいけないように思います」

 

 それはなぜかと問う幸之助に、続けてこう説明します。

 

 「銀座四丁目にはナショナルの立派なネオン塔がありますね。あなたの頭は、言ってみればそれ以上に大切な会社の看板です。世間の人たちがあなたの頭を見て、松下電器の製品を買いたくなくなるということになっては困るでしょう。ですから常に十分な手入れをしていただかなければ......」

 

 それまで自分の髪型について無頓着だった幸之助は、なるほどと感じ入り、以来忙しい仕事のあいまをぬって、10日か2週間に一度は散髪に通うようになりました。

 

 また、幸之助は自分より2歳年下であるこの理髪店の創業者とも親しくなり、教えられることが少なからずあったといいます。その一つが"業即信仰"という言葉。"信仰三昧というほどに仕事に打ち込む。自然と手を合わせて拝むような心境でお客様を大事にする。そうすればお客様に喜ばれ、自分自身も大きな幸せを感じられて、結果、おのずと商売も繁盛する"ということに一面の真理を感じたと述べています。