Q16:この幸之助の言葉の○○に当てはまるのは?

「事業に○○はない」

 (1)温情

 (2)頂上

 (3)抜道

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解答&解説コラム

 (2)の「頂上」が正解です。世の中は時々刻々と動き、変化している。そのなかで経営者は日に新たな発想をもって経営を進めていかなければならない。それはいわば「終わりのない壁画」を描き続けるようなものであり、「ここでおしまい」などということはない。だから「事業に頂上はない」と幸之助はいうのです。


 そしてこうも述べています。「従業員が10人いるとき、その10人いるときの考えに執着するのでなく、15人になるということも考えていく。今月は売上げが1000万円だけれども、来月1500万円売るにはどうしたらいいか、そのように、経営者は絶えず求めるものをもたないといけない」。幸之助のこうした産業人としての地に足の着いた成長志向が「事業に頂上はない」という言葉に宿されているのです。


 思えば幸之助は、その経営人生において、幾度となく難局にぶつかりながらも、決してゆきづまることなく、乗り越え、道を切りひらいていきました。「峠を越えればまた峠」ともいいましたが、頂上を越えるたびに、次に待ち受ける頂上に目を向け、常に希望をもって、「こうしなければいかん、ああしなければいかん」と日々新たな考えをめぐらす。そうして事業のよりよき姿を求め続けるのが経営者の果たすべき役割であるという使命感が、みずからの「登頂」の心の杖となっていたのでしょう。