Q23:幸之助による松下政経塾生への最初の3つの要望。その1つ目の○○に当てはまるのは?

「○○そのものを的確に把握する」

 (1)社会

 (2)人間

 (3)歴史

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解答&解説コラム

 (2)の「人間」が正解です。幸之助が松下政経塾の開塾にあたって、社会経験の未熟な塾生たちに最初に要望した心得が「人間を把握する」ことでした。その根底には、人間同士が相寄り、「飼いあい」をして社会生活が営まれているという幸之助の人間観・社会観が存在しています。


 人間に「飼いあい」という表現は似つかわしくないかもしれませんが、そこには、羊を飼うためには羊がどういう環境を好み、何を食べるかといった羊の特質を知ることが不可欠であるように、人間がみずからの本質を正しく把握・認識しなければ、その共同生活は決してうまくいかないという幸之助の揺るぎない信念がありました。


 人間を「的確に」把握する――非常に難しいことですが、社会全体がグローバル化し、企業内でもダイバーシティの実現が求められる現代において、その重要性はますます高まっているといえるでしょう。


 日本、アメリカ、中国、韓国、インド、ブラジル……それぞれの国家にそれぞれの国民性があり、敬意を払うべき歴史・文化があります。そうした「異質」を超えてお互いが生かしあい、調和を見いだし、ともに繁栄の道を歩んでいくためにも、まずは人間として共通の本質、普遍的な人間の特質というものを究めることが大切なのではないでしょうか。