Q27:幸之助は「文化国家」の条件として3つを挙げました。その2番目、○○に当てはまるのは?
「○○が整然としていること」
(1)法律
(2)景観
(3)秩序
解答&解説コラム
(3)の「秩序」が正解です。「自由がある」ことを真の文化国家の第1条件としたことは、前回コラムで触れました。幸之助がそう考えたのは、一人ひとりが自由にのびのびと活動できるところにこそ、お互い人間の偉大なる本質・特性~誰もが磨けば光るダイヤモンドの原石のようなもの~が発揮されると信じたからでした。
しかしながら、自由が許される社会が望ましいのだといって各人が身勝手に行動したのでは、せっかくの自由をお互いが妨げあう危険性も生じてきます。そこで文化国家の第2条件は正しい秩序が打ち立てられていることだとして、幸之助はこう述べました。「大自然にあるいっさいのものは、調和のうちにそれぞれの特質を生かし、生成発展しています。言いかえればそこに自然の秩序、宇宙の秩序というものが働き、そのもとに万物いっさいが生かされているのです。同じように人間の共同生活において、万人をともどもに生かしていくというからには、そこにそれなりの秩序、ルールというものがおのずと考えられなければならないと思います。つまり相寄って共同生活を営んでいくためには、自由とともに、各人の自由を真の自由たらしめるために、社会的秩序が必要なのです」。
規制やルールがなくても、皆聖人君子のように守るべき規範をおかさず、よりよい共同生活を生みだすことができるなら、これほど素晴らしいことはありません。けれども現実にすべての国民が欲望のまま自由に活動して、互いにぶつからず調和共栄し、人間としても立派な生き方をするというのはきわめてむずかしいことを幸之助は看取していました。だからこそ、秩序が必要だと説いたのでしょう。ただし、その秩序とは決して自由を抑制するためのものではなく、お互いの自由を支え、これを裏づけし、進んで生かしあうためのものであることも幸之助は強調しています。