Q37:○○に当てはまる幸之助の言葉はどれでしょう?
「○○○は人間をして真に人間たらしめる道である」
(1)人間道
(2)経営道
(3)商売道
解答&解説コラム
(1)の「人間道」が正解です。1972年刊行の著書『人間を考える』において、幸之助は「新しい人間観」を提唱、人間の本質は「万物の王者」であるという自らの人間観を示しました。人間が王者としての意識をもち、万物を正しく支配活用していくところに、一切のものがところを得、それぞれの特質に基づいて生かされるようになって、お互いの共同生活における物心ともの繁栄が生みだされる。そうした幸之助の信念が刻まれた同書は、発刊以降、大きな反響を呼ぶことになりました。
さまざまな感想が寄せられるなかで、「人間の本質はわかったけれども、人間として具体的にどのように歩めばよいのか、そういった実際の歩み方について述べてほしい」という要望もかなりあったといいます。そこで幸之助は「人間をして真に人間たらしめる道」、つまり人間道について、さらに思索を深めていったのです。
そして1975年、「真の人間道を求めて」の一節を新たに付し、改版となる『人間を考える 第一巻』を刊行。そこでは、幸之助が考える人間道を正しく歩むための要諦として、人間を含む天地自然の一切をあるがままに「容認」して、適切に「処置、処遇」することが挙げられています。
すなわち大自然の営みが自然の理法に従い、巧まずして万物を生かし、調和のうちにこれらを生成発展せしめているように、お互い人間もすべてをあるがままに容認し、その上で是非善悪を正しく定め、万物を適切に処置、処遇しあう。それが王者としての人の道、人間道の本義であり、その実践によって人間の天命は如実に発揮される、つまり物心一如の真の繁栄がもたらされると幸之助は説いたのでした。