Q54:幸之助の以下のエピソードで当てはまるものは?

昭和21(1946)年1月4日の朝、幸之助は運転手の不注意で会社に遅刻しました。このことを受けて幸之助はどのような行動をとったでしょうか?

(1)運転手を即刻辞めさせた

(2)遅刻したことをだれにも言わず、隠した

(3)遅刻した自分自身に対し減給処分を課した

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解答&解説コラム

 (3)が正解です。

 

 終戦間もないこの年の年頭、幸之助は「この困難を乗り切るには、自分が先頭に立って励まねばならない」と決意し、それまで体調の関係で、休んだり遅く出たりすることがあったのを、無遅刻無欠勤で通そうと心に期していました。ところが初出勤の1月4日の朝、西宮の自宅から電車で大阪に出てきたところ、迎えにきているはずの会社の車がきていません。待っても待ってもこないので電車で向かおうとした時、ようやく車がやってきました。会社に急いだものの、結局、10分の遅刻。原因は事故ではなく、単に運転手の不注意でした。

 

 これを受けて幸之助は、運転手はもちろん、その上司、そのまた上司と関係者計7人を減給処分にします。そして一番の責任者である自分自身も、1カ月分の給料を返上するとともに、それを朝会で発表して社員に詫びたのです。幸之助の厳しい処分は社員の心を大いに引き締め、会社の再建を果たす原動力となったのでした。