Q81:幸之助の以下のエピソードで当てはまるものは?
コーヒーが好きな幸之助は、ある日、秘書に「コーヒーをつくってほしい」と言いました。秘書が松下電器製のコーヒーメーカーを持ってくると、何を尋ねたでしょうか?
(1)「このコーヒーメーカーはコーヒー1杯をいくらでつくれるのか」
(2)「このコーヒーメーカーの市場占有率はどれだけか」
(3)「このコーヒーメーカーを開発した責任者は誰か」
解答&解説コラム
(2)が正解です。
昭和52(1977)年のある日のこと、幸之助は秘書に「コーヒーをつくってくれるか。うちで出しているコーヒーメーカーを持ってきてくれ」と言いました。秘書が持ってくると、「この商品の占有率はいくらや」と尋ねます。当時、ともに外資系のF社が43パーセント、M社が20パーセントで、松下電器はわずか7パーセントでした。
幸之助は責任者に「外資系の会社が63パーセントも占めているというのは、単に松下電器1社の問題ではなく、日本の問題ではないか」と発破をかけます。幸之助の指摘を受けて「CM100」(コーヒーメーカーを100万台売ろう)作戦がスタート、キャリオカという新商品が開発され、宣伝にも工夫した結果、占有率1位を達成したのです。
幸之助はこのことにふれつつ、社員に次のように説いています。「きょう天下を取っていても、あすには変わってしまう時代である。喫茶店でコーヒーを飲んでいるあいだにも、あす打つ手をどうするか考えるようでなければいけない。人から言われて初めて“ああそうか”と気づくのでは手遅れだ」