Q89:幸之助の以下のエピソードで当てはまるものは?
昭和40年代の初め、松下電器の炊飯器事業部は業務用炊飯器の試作品を完成させました。本社の重役会のあと、試作品で炊いたご飯がふるまわれたとき、幸之助はどうしたでしょうか?
(1)ご飯を食べ、さらにおかわりした
(2)一口だけ食べ、すぐに退席した
(3)自分は食べずに重役たちの反応を見ていた
解答&解説コラム
(1)が正解です。
日本の家庭にすでに電気炊飯器が普及していた昭和40年代の初め、松下電器の炊飯器事業部では業務用炊飯器の製作に着手。ようやく完成した試作品を持って、技術者たちは本社での重役会に臨みます。開発のねらいや製品の特徴について熱のこもった説明を行なったものの、重役たちの反応はいまひとつでした。
やがて昼食の時間になり幕の内弁当が配られると、そこには試作品で炊いたご飯が試食のため添えられていました。それをただ一人、幸之助がおかわりしたのです。「このご飯、おいしいな。もう一杯おかわりを」。
その一言は、技術者たちにとってどんな激励や褒め言葉よりうれしいものでした。技術者の一人は「食が細いと聞いていたのに、“もう一杯おかわりを”と言われたときは胸がいっぱいになりました」と、のちに語っています。