Q90:幸之助の以下のエピソードで当てはまるものは?
昭和2(1927)年、幸之助は1人の若い技術者にアイロンの開発を命じました。電熱分野についてまったくの素人だったその技術者が「自分には無理です」と固辞したところ、幸之助は何と言ったでしょうか?
(1)「やってみる前からあきらめてはいかん!」
(2)「きみならできる!」
(3)「では、別の者に頼むのでけっこうだ」
解答&解説コラム
(2)が正解です。
昭和2(1927)年、幸之助は若い技術者を呼んで言いました。
「今、アイロンを2、3の会社がつくっているが、使ってみると非常に便利だ。だが、価格が高いため、多くの人に使ってもらうことができない。合理的な設計と量産によって安いアイロンをつくりたい。ぜひきみが担当してくれたまえ」
電熱分野についてずぶの素人だったことから、青年技術者は「私にはとても無理です」と言って応じようとしません。そんな技術者に対し、幸之助は「いや、できるよ。きみなら必ずできる!」と、力強く励まします。
確信と誠意に満ちたこの言葉で心に火のついた技術者は、“自分をそこまで信頼してくれているのであれば、ひとつ命がけで取り組んで成功させよう”と決意。懸命に取り組んだ結果、わずか3カ月後に幸之助が思い描いたとおり低価格で、便利な「スーパーアイロン」を完成させたのでした。