Q99:幸之助の以下のエピソードで当てはまるものは?
少年時代、奉公をしていたころの思い出として、幸之助が生涯でいちばんうれしかったと言っていた出来事は次のどれでしょうか?
(1)店主夫人と2人で写真を撮ったこと
(2)初めての給料で5銭白銅貨をもらったこと
(3)自転車レースに出場し、優勝したこと
解答&解説コラム
(2)が正解です。
幸之助は91歳のときに、「今までの人生でいちばんうれしかったことは何ですか?」という質問を受け、「丁稚奉公のとき、初めての給料で5銭白銅貨をもらったこと」と答えています。
9歳で和歌山から単身、大阪に出てきた幸之助の最初の奉公先は宮田火鉢店でした。早朝の拭き掃除、店主の子供の子守り、火鉢を磨くことなどが主な仕事で、仕事自体はさほどつらく感じなかったものの、故郷を離れた心細さから、夜寝床に入ると、母親のことを思い出して涙する日々が続きました。
奉公を始めて半月ほどたったある日、幸之助は店主に呼ばれ、「ごくろうさん。給料をあげよう」と、5銭白銅貨を手渡されます。和歌山では母に1厘銭をもらい、近所の駄菓子屋で飴玉を2個買うのが楽しみだった幸之助にとって思ってもみない大金でした。あまりのうれしさに、その晩以降、泣くことはなくなったといいます。故郷で貧しい生活を経験し、さらに当時、おおきなさびしさを味わっていたからこそ、この5銭白銅貨は強烈な印象を幸之助に与えたのでしょう。