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電池が語りかけてくる――仕事を見る眼〈4〉

 第二次世界大戦後の混乱期には、原材料も乏しく、乾電池にも不良が出ることがしばしばあった。  そんなある日、乾電池工場を訪れた幸之助は、責任者から不良が出る状況について説明を

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魚屋で勉強してこい――仕事を見る眼〈3〉

 戦前の話である。幸之助がある幹部に言った。  「きみなあ、あしたから会社へ来なくていいから、魚屋へ二、三カ月、丁稚奉公に行ってくれ」    幹部は、幸之助が何

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それでも松下の人間か――仕事を見る眼〈2〉

 幸之助が、トヨタ自動車から講演を依頼された。当日は、名古屋の特機営業所所長が名古屋駅まで車で出迎えた。トヨタ自動車の本社までの車中で幸之助は、沿道の建設中の建物について、「あ

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何のための仕事かね――仕事を見る眼〈1〉

 昭和十三年ごろのことである。  毎日のように工場と事務所を巡回していた幸之助が、ある青年社員に声をかけた。    「きみ、その仕事は何をやっているのかね」