松下幸之助用語
カンと科学は車の両輪
用語解説
松下幸之助が松下電器の会長時代のことである。コンピュータを使って、前日の売上げを翌日朝には算出していた。その費用を聞くと、月に三百六十万円だという。「松下電器の商売は、そんなことをしなくても、五日にいっぺん報告があったらだいたいにおいてわかるし、毎日する仕事だったら、どのくらい売れているかはカンでわかる」と、毎日の集計をやめさせてしまった。
後にそのときのことを、「カンの働かない科学者はダメだという。要はカンでいいときと、科学に頼らなければいけないときがある。いわばカンと科学は車の両輪のようなものだ。カンと科学を適切に使い分けていくことこそ大切だ」といっている。これも融通無碍な行き方の一つだろう。